お大事に、お大事に
不動産屋かピザ屋のチラシくらいしか入らないウチのポストに封書が届いていた。それを大事に鞄へ仕舞い、病院へと出かける。
待合室の長椅子で封を切る。手書きの手紙だ。中島みゆきさんと同じく、私も手書きの手紙が大好きで、温かい気持ちになる。
後から来た親子が隣に腰掛ける。女の子は私に微笑むと、持っていた絵本を声を出して読み始めた。ウサギの出る物語を、ミッフィのような声で。
手術をするかしないかは、もう私が決めるしかないそうだ。あれこれ思いを巡らせていると焦燥感に苛まれる。
そんな私を、手書きの手紙と女の子の声が、優しさに包み込んでくれた。
この子はどんな病気なのだろうか、、、。どうか重い病でありませんように。